Muraki Blog 税理士 村木慎吾のブログ
大阪府八尾市の村木税理士事務所です。税務・会計はもちろん、企業経営に関する問題は全ておまかせください。会社がよりよくなるために、わかりやすく親切にアドバイス致します。
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【注意事項】
記事をアップする際には慎重を期しておりますが、当blogの記載内容に誤りがある場合には遠慮なくお知らせ下さい。(記事は投稿日現在に施行されている法令等に基づいています。)
また、税務等に関する記載内容は、一般的なケースを想定して掲載しているため、事例によっては異なる課税関係となる可能性があります。
なお、当blogの記事により発生したいかなる損害に対しても一切の責任は負いませんのでご了承ください。
法人税のブログ
2010年8月 1日 13:27
過年度に青色申告をしていたが、その後様々な事情により、無申告となっている法人も散見されます。そのような法人は、再度申告する場合に、適正に申告をしていた時に有していた青色欠損金を今年度以降も利用できるのかが論点になります。
繰越欠損金を利用するためには、以下のいずれの要件も満たす必要があります。
1.欠損金額が生じた事業年度に係る確定申告を青色申告で行う
2.その後の連続した確定申告書の提出(白色申告も可)
上記2.における「連続した確定申告書の提出」については、期限後申告でも認められると解されています。
ただし、ここで注意すべきは、過年度申告書の提出のタイミングです。
例えば、以下のような事例で考えてみましょう。
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平成19年3月期は青色申告を行い、生じた欠損金1,000を繰り越した。
その後、平成20年3月期及び平成21年3月期は事業活動を休止ししたため、無申告であった(青色が取り消され、白色申告となった)
平成22年3月期には、所得が1,000発生するため、申告を再開する。
平成22年3月期の申告において、平成19年3月期に生じた欠損金を損金算入(利用)したい。上記1.の要件は満たしているが、上記2.を満たしていないため、平成22年3月期の申告だけではなく、平成20年3月期及び平成21年3月期の期限後申告もしようと思う。
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平成20年3月期及び平成21年3月期の期限後申告書を提出するタイミングとしては、以下のパターンが考えられます。
① 平成20年3月期から平成22年3月期までの3期の申告書を同時に提出する
② 平成20年3月期及び平成21年3月期の2期分の申告書を提出した後に、平成22年3月期の申告書を提出する
③ 平成22年3月期の申告書を提出した後に、過年度の平成20年3月期及び平成21年3月期の申告書を提出する
上記3つのうち、③だけは平成22年3月期における繰越欠損金(1,000)の損金算入が否認されることになります。なぜなら、上記2.の要件である「連続して確定申告書を提出している場合」に当たるかどうかは、繰越欠損金を損金算入しようとする事業年度の確定申告書提出時の現況によるとした裁決事例があるからです(平成20年3月14日裁決)。つまり、上記2.の要件を満たした後で提出された確定申告書に限り、当該確定申告書における繰越欠損金の利用を認めるということです。
また、上記①については問題にならない可能性が高いですが、実務の安全性を考慮すれば、このような事例では②の方法をお勧めします。
CATEGORY : 法人税
2010年6月 6日 18:55
平成20年4月1日以後に締結された所有権移転外ファイナンスリースについては、当該リース取引に係る賃借人が当該リース資産を取得したものとして取り扱われます(法人税法64条の2)。
つまり、所有権移転外ファイナンスリース取引は、売買取引として考えます。
しかし、通常の売買取引では認められる以下のような制度も、所有権移転外ファイナンスリース取引では適用できません。
① 圧縮記帳(法人税法47条、措置法65条の7等)
② 特別償却(措置法42条の5等)
(取得に係る特別税額控除(措置法42条の5等)の適用はあり)
③ 少額減価償却資産の損金算入(法人税法施行令133条)
④ 一括償却資産の損金算入(法人税法施行令133条の2)
これは、所有権移転外ファイナンスリース取引は、税務上のみ売買取引としているだけで、あくまで私法上は資産の賃貸借であるため、自己所有の資産に適用される上記のような制度が適用されないものと思われます。
このうち、上記③については、特に注意が必要です。
通常の売買取引では、取得価額が10万円未満の減価償却資産を取得した場合には一時損金として処理することができますが、所有権移転外ファイナンスリースについては、取得価額が10万円未満となる少額のリース取引であっても、一括で損金処理は認められず、資産計上したうえでリース期間定額法での償却が必要となります。
また、所有権移転外ファイナンスリースについても、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(措置法67条の5)の適用が認められますが、ここでも10万円未満のリース取引については、資産計上したうえでリース期間定額法での償却が必要となります。
CATEGORY : 法人税
2010年5月17日 20:07
消費税を税込経理している場合の消費税等の損金算入時期は、原則としてその消費税等の申告書の提出日の属する事業年度ですが、申告書が未提出の場合であっても、その申告書が申告期限未到来のもので、かつ、その消費税等の額が損金経理により未払金計上されているときは、その事業年度に損金算入することが認められています(個別通達 消費税法等の施行に伴う法人税の取扱いについて)。
上記のような取り扱いもあることから、比較的小規模の企業等では、事務処理の手間から、消費税を税込処理して経理し、決算時に未払金計上している企業等が多いように思います。
確かに、通常は税込処理でも問題は生じないのですが、税務調査等により消費税額を修正(納付)する場合には、税込処理を採用することによる最大のデメリットが露呈します。
例えば、前期に「外注費」として支払っていた経費(税込5,250,000円)が、税務調査において「給与(税抜5,250,000円)」であると指摘を受け修正申告をするとします。
【税抜処理の場合における納付額】
前期における消費税の過少納付 → 250,000円
前期における法人税の過大納付 → △100,000円 (250,000円×40%)
差引納付額 150,000円
【税込処理の場合における納付額】
前期における消費税の過少納付 → 250,000円
差引納付額 250,000円
このように税抜処理の場合には、消費税の修正に伴い(給与という経費が250,000円増えるため)前期の法人税額が還付され、修正申告により納付する税額(150,000円)が少なくなります。
一方、税込処理の場合には、納付する修正消費税(250,000円)が修正申告書を提出した事業年度(進行期)の損金となるため、修正申告による納付額は、税抜処理と比べ一時的ではありますが多くなります(250,000円)。
つまり、税抜処理のケースでは修正する消費税額の60%相当額の納付で済むのに対し、税込処理では修正する消費税額の全額を納付する必要があります。
上記の差額は一時的なものとはいえ、消費税の課税非課税の判断で疑義があるような場合には、せめて税抜処理をしておくことが否認された場合の保険となりそうです。
2009年11月19日 23:56
平成21年の税制改正において、国内の土地需要を喚起する等の観点から、平成21年及び22年に土地等を取得した場合には、以下の特例が設けられています。
① 「特定の長期所有土地等の所得の特別控除(1,000万円控除)」(措置法65条の5の2)
② 「土地等の先行取得をした場合の課税の特例(圧縮記帳)」(措置法66条の2)
Q1.
平成21年に取得したA土地及びB土地をともに平成27年3月期に譲渡した。当該A土地については1,000万円控除を適用したが、B土地の譲渡についてA土地の譲渡益の80%相当額を対象として先行取得をした場合の圧縮記帳の適用はできるか?
A1.
先行取得をした場合の圧縮記帳制度については、他の土地等を「譲渡」し当該譲渡益の80%相当額までの圧縮記帳が認められているが、この「譲渡」には、1,000万円控除の適用を受ける土地の譲渡は含まれないこととされています(措置法66条の2⑭二ロ)。そのため、B土地については、先行取得をした場合の圧縮記帳の適用はできません。
Q2.
平成21年に取得したC土地について、平成24年3月期に先行取得をした場合の圧縮記帳の適用をしているが、平成27年3月期に当該C土地を譲渡した。当該C土地について、平成27年3月期に1,000万円控除の適用はできるか?
A2.
1,000万円控除の適用に際しては、その対象となる土地について、先行取得の場合の圧縮記帳との重複適用が制限されていないため、C土地の譲渡については1,000万円控除の適用が可能となります。
Q3.
平成21年に取得したD土地及びE土地について、平成27年2月にD土地を、平成27年5月にE土地をそれぞれ譲渡した。当該譲渡によりD土地について1,200万円、E土地については800万円の譲渡益が生じているが、平成27年3月期及び平成28年3月期における1,000万円控除の適用金額はどのようになるか?
A3.
1,000万円控除制度は、譲渡した土地の譲渡益相当額と「1,000万円」のいずれか低い金額を、その譲渡の日の属する事業年度の損金の額に算入するものです。この比較の対象となる「1,000万円」は、その譲渡の日の属する年において当該規定の適用を受けた金額がある(損金算入した金額がある)場合には、その金額を控除した金額となります(措置法65条の5の2①)。
そのため、平成27年3月期にD土地について1,000万円控除を適用し、譲渡益1,200万と1,000万円の低い金額である1,000万円を損金算入することが可能です。しかし、E土地については、譲渡した同年(平成27年)に譲渡したD土地について平成27年3月期ですが1,000万円控除の適用を受けているため、平成28年3月期におけるE土地の1,000万円控除の適用については、D土地の譲渡益800万円と0万円(1,000万円-1,000万円)の低い金額である0万円が限度額となるため、平成28年3月期のE土地については1,000万円控除の適用により損金算入できる金額はありません。
CATEGORY : 法人税
2009年8月31日 11:13
法人の破産手続において、裁判所は破産法人の財産がない場合に破産手続の廃止決定又は終結決定を出すこととされており、その時点で破産法人は消滅することになります。
そのため、破産債権者が有する破産債権は破産法人の消滅と同時に消滅することになり、一般的には当該廃止決定又は終結決定の時点において貸倒損失を損金の額に算入することになります。
しかし、破産手続終結決定の前に破産管財人から配当額がゼロとの証明があるケースや債務者の資産処分が終了し今後の回収が見込まれないまま破産手続終結までに相当の期間がかかるケースもあります。
このように破産終結決定前であっても配当がないことが明らかである場合には、配当がないものとして法人税基本通達9-6-2を適用し、その全額を貸倒損失として損金経理することより損金の額に算入することも認められます(裁決:H20/6/26)。
CATEGORY : 法人税
2009年8月 4日 00:32
受取配当金に対する所得税額控除は、配当金の計算期間のうちその元本の所有期間に対応する部分だけに適用があります(法人税法施行令140条の2)。
旧商法では、増資新株と旧株の配当額を異なるものとする日割配当が認められていました。日割配当であれば、その増資新株についての配当計算期間は増資後から開始するため、配当計算期間と元本所有期間が一致し、所得税額控除の適用に際し按分計算は不要(源泉所得税全額について税額控除可能)でした。
しかし、平成18年施行の会社法においては、配当財源にはその事業年度に生じた利益だけではなくそれ以前の事業年度に生じた利益も含まれているため、日割配当に合理性を認めにくいことを理由に、日割配当が禁止されました(会社法454条第3項、旧商法280条の20第2項第11号が削除)。
そのため、増資新株に対しても旧株と同額の配当がされる、つまり配当計算期間の全部を通じて所有していた株式と同額の配当がされることになります。この場合、実質的には新株発行前の期間も配当計算期間に含まれていると考えられ、その所得税額控除の適用については按分計算が必要になるのではないかという疑問が湧きます。
当該論点について、大蔵財務協会発行の事例集では「増資新株に対して旧株よりも高率の配当がなされた」という整理をすることにより、所得税額控除に関する従来の取り扱いを維持し按分計算を不要としています。
=『平成19年度税務相談事例集』(大蔵財務協会)P1298参照=
CATEGORY : 法人税
2009年7月31日 17:16
平成21年度の税制改正により、平成4年以降一部の場合を除き適用が停止されてきた「欠損金の繰戻し還付制度」が、一定の中小企業者等において適用可能となりました(措置法66条の13)。
当該規定を適用し還付を受ける際には、調査(机上調査を含む)がされることが規定されている(法人税法80条第6項)ため、翌年度以降に課税所得が発生する見込みのある法人は、あえて繰戻し還付をせずに欠損金として翌年度に繰越し、翌年度以降の課税所得から欠損金として控除することを選択する法人もあるようです。
確かに、翌年度以降に課税所得が生じ欠損金を使い切ることができる場合には、繰戻し還付を適用した場合と適用しない場合でのトータル税額は変わらないことになります。
しかし、同じく平成21年度の税制改正において中小企業者等の法人税率が22%から18%に下げられたことにより、以下のようなケースでは、繰戻し還付を選択した方が有利となるので注意が必要です。
CATEGORY : 法人税
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